
【第5話】Step 4:AIに"お客様への返信文"を作ってもらおう
難易度: ★★☆☆☆ | 所要時間: 5分 | レベルマップ: 〈5/10〉 レベル2:AIに任せる範囲を広げる

📨 DMの返信、もう1時間かかりません
「投稿は楽になった。でもね…」
ミホさんが珍しく真顔でリナさんに相談した。
「DMの返信って、けっこう時間かかるんだよね。丁寧に書きたいけど、気づいたら夜11時過ぎてて」
「たぶん、お客さま1人ひとりに合わせて書いてるからですよね」
「そう。3行書くのに10分とかかかっちゃう」
「返信の下書きは、AIに頼めますよ。5分で3通は書けます」
「でも、お客さまの内容をAIに入れるのって、大丈夫なのかな?」
「そこ、すっごく大事なポイントです。入れていい情報とダメな情報、ルールがあります」

🎯 この記事で手に入るもの
- DM返信の下書きをAIに作ってもらう方法
- トーン(丁寧・カジュアル・フレンドリー)を指定する小技
- 個人情報をAIに入れない運用ルール(法務上の必須知識)

⚠️ 最重要:AIに入れてはいけない情報
まず、この記事でいちばん大事な話から始めます。
ここを守らないと、法令違反のリスクがあります。
🚫 AIに入れない情報リスト
以下はすべて「個人情報」または「個人が特定できる情報」です。
AI(特に無料版)は入力を学習データに使う可能性があるため、絶対に入力しないでください。
- 名前(お客さまのフルネーム・ニックネーム・苗字だけも含む)
- 電話番号
- 住所
- メールアドレス
- 生年月日・年齢(20代・30代くらいならOK)
- 来店履歴(「〇月〇日に来店した」などの具体的日付)
- 施術日・予約日時
- 家族構成(「ご主人が〜」「お子さんが〜」など)
- 職業・勤務先
- 健康情報(整体・美容医療系の場合)
💡 なぜこれらを入れないの?
- 個人情報保護法(改正APPI)では、顧客の同意なく個人情報を第三者(AIサービス)に渡すことを禁じています
- 無料版AIの利用規約では、入力が学習データに使われる可能性が明記されています
- 「個人を特定できる情報」は、組み合わせによっても成立します
(例:「長崎市の美容室で火曜の午後に来店した40代女性」でも特定可能)
✅ AIに入れてOKな情報
- やり取りの論点(例:「予約変更したい」「キャンセル料について」)
- こちらが返したいトーン・方向性(例:「丁寧にお断りしたい」「喜びを伝えたい」)
- 業種の一般的な文脈(例:「美容室の予約変更の問い合わせ」)

📱 やってみよう:ミホ流・個人情報を抜いたDM返信
シナリオ例
ある日、お客さまAさんからDMが来ました。
"〇〇(ミホさん)こんにちは!明日の14時予約してたんですが、子供の発熱で行けなくなりました…。キャンセル料かかりますか? すみません"
❌ 悪い例:そのままAIに貼る
以下のDMに返信してください:
"〇〇さんこんにちは!明日の14時予約してたんですが、子供の発熱で行けなくなりました。キャンセル料かかりますか? すみません"
→ お客さまの「店の名前(実質スタッフ名)」や「予約時間」がAIに渡る。NG。
✅ 良い例:論点と文脈だけ貼る
あなたは美容室オーナー向けのDM返信サポートAIです。
【状況】
・常連のお客様から、明日の予約を当日キャンセルしたい、という連絡が入った
・理由は、ご家族(子供)の体調不良
・お客様は申し訳なさそうな様子
【私が返信したいトーン】
・丁寧で、お客様の罪悪感を減らすように
・キャンセル料は取らない方針
・代替日の予約につなげたい
【お店のキャンセルポリシー】
・当日キャンセル:通常は50%のキャンセル料
・ただし、やむを得ない事情の場合は柔軟に対応
【返信文の条件】
・100〜150字
・絵文字1〜2個
・親しみやすく、柔らかい口調
返信文を3パターン提案してください。
→ 個人情報ゼロ。論点のみ。
AIの返答例
パターン1(スタンダード)
こんにちは☺️
お子さまの体調、ご心配ですよね。お大事になさってください🍀
キャンセル料は今回はいただきませんので、ご安心ください✨
体調が落ち着かれた頃、また改めてご予約お待ちしております🌿
パターン2(励ましトーン)
ご連絡ありがとうございます☺️
お子さま、どうぞお大事にしてくださいね。
キャンセル料の件、お気になさらずで大丈夫です✨
よろしければ、落ち着いたタイミングで改めてご案内させてくださいね🌿
パターン3(実務的)
ご連絡ありがとうございます😌
今回のキャンセル料はいただきませんので、ご安心くださいね🌱
次回のご予約、体調がよくなりましたらお気軽にご相談ください✨
3つの中からミホさんが選ぶ → 微修正して送信。
所要時間:3分。
🎨 トーン指定の7つのバリエーション
AIへの指示にトーンを書き込むと、雰囲気を自由に変えられます。
| トーン | 使いどころ | 例 |
|---|---|---|
| 丁寧で柔らかく | クレーム・キャンセル | 「ご迷惑をおかけして…」 |
| 親しみやすく | 常連のDM | 「いつもありがとうです🌿」 |
| フレンドリーに | 仲良いお客さま | 「うれしい〜☺️」 |
| ビジネスライクに | 新規の問い合わせ | 「この度はお問い合わせいただき…」 |
| 励ましトーンで | お客さまが落ち込んでいる時 | 「お大事にしてくださいね」 |
| 喜びを伝えるトーン | お褒めのDMへの返信 | 「うれしいです、本当に」 |
| サラッと短く | 予約確認 | 「承知しました☺️」 |

🛠️ DMパターン別のテンプレ集
予約変更・キャンセルへの返信
あなたは美容室のDM返信サポートAIです。
【状況】
・お客様から予約変更/キャンセルの連絡
・理由:〔体調不良/仕事の都合/など〕
【私が返信したいトーン】
・丁寧で柔らかく
・相手の罪悪感を減らす
・〔キャンセル料は取る/取らない/事情により判断〕
【返信の条件】
100〜150字、絵文字1〜2個、親しみやすく
返信文を3パターン提案してください。
褒められた時の返信
あなたは美容室のDM返信サポートAIです。
【状況】
・お客様から「仕上がりがすごく良かった」「友達にも褒められた」と好意的なDM
【私が返信したいトーン】
・素直に喜んで感謝を伝える
・次回のご来店にも自然につなげたい
【返信の条件】
80〜120字、絵文字2〜3個、喜びが伝わる口調
返信文を3パターン提案してください。
質問に答える
あなたは美容室のDM返信サポートAIです。
【状況】
・〔カラーの種類/料金/アクセスなど〕について質問を受けた
【回答すべき情報】
・〔正確な情報をここに書く〕
【私が返信したいトーン】
・丁寧でわかりやすい
・質問に感謝を伝えてから回答
【返信の条件】
150〜200字、絵文字1〜2個
返信文を作ってください。
クレームへの返信(最重要)
クレーム対応はテンプレだけで済ませない。必ず人が内容を読み込んで判断すること。
AIは言葉遣いの参考としてだけ使う。
あなたは美容室のDM返信サポートAIです。
【状況】
・お客様から仕上がりに不満があるとのDM
・具体的な不満点:〔ここは文脈のみ・個人特定情報なし〕
【私が返信したいトーン】
・誠実に謝罪
・ただし事実確認のため詳細を伺いたい
・対面で話したい旨を伝える
【返信の条件】
150〜200字、絵文字なし、誠実な口調
返信文を3パターン提案してください。
※法的に問題になる表現は避けてください
クレーム対応は、AIの下書き → 最低15分置いて再読 → 必要なら専門家相談、の流れを推奨。
📋 ミホの実践フロー
DMが来た時のミホさんの動き
- DM受信 → スマホで内容を読む
- 論点を1行メモ:「ご予約キャンセル(当日・家族都合)」
- ChatGPTを開く:テンプレを貼る
- 論点を書き込む(個人情報ナシ)
- 3パターン出してもらう
- 1つ選んで微修正(絵文字調整・語尾調整)
- 送信
所要時間:5分以内。
以前のミホさんは1通に15〜20分かかっていたので、3〜4倍の時短になりました(※ミホさんの一例。業種・店舗規模・運用により結果は異なります)。
1週間でのDM対応時間の変化
| 項目 | 以前 | 今 |
|---|---|---|
| 1通あたり | 15〜20分 | 5分 |
| 週のDM数 | 10〜15通 | 10〜15通 |
| 週合計 | 150〜300分 | 50〜75分 |
時短効果:約2〜4時間/週(目安)。※ ミホさんの運用例。あなたの環境では異なる結果になることがあります。

🤔 うまくいかない時のチェックリスト
AIの文章が「心がこもってない」感じがする
- トーンに「私らしく、口癖を混ぜて」と追加
- ミホさんの場合は「〜ね」「〜ですよ」の口癖を入れてもらうと自然に
クレームっぽい内容で、AIの謝罪が浅い
- 「まずお客様の気持ちに寄り添う一文」を最初に入れるよう指示
- 「責任を認める表現」と「事実確認の依頼」を分けてと具体的に書く
返信が長すぎる/短すぎる
- 文字数指定を変える
- 「もう少し短く」「もう少し詳しく」と続きのチャットで修正依頼できる
AIが個人情報を勝手に創作する
- 「〇〇様」の「〇〇」部分をAIが勝手に埋めてきたら、その部分だけ自分で差し替える
- テンプレに「〔お客様名は自分で挿入するので空欄でOK〕」と明記する

🛡️ 絶対に守るルール(再確認)
❌ NG
- お客さまの名前・電話・住所・メールをAIに入れる
- 来店日時・施術内容・予約内容を具体的に書く
- 病歴・家族構成・職業をAIに共有する
- AIが書いた文章をそのまま(読み返さず)送信する
✅ OK
- やり取りの論点だけを書く
- トーン・文脈・希望する返し方を指示する
- AIの下書きを人間が読み返してから送る
🚨 もし既に個人情報を入力してしまったら
- 冷静に対応。焦らない
- ChatGPT有料版なら「履歴から削除」で消せる
- 無料版の場合、オプションで学習データから除外できる設定あり(アカウント → Data Controls → Chat history & training を OFF)
- 今後は論点だけを書くルールを徹底する
🎁 今日のまとめ
- [x] DMの論点だけをAIに伝える
- [x] 個人情報は絶対に入れない(10項目チェック済み)
- [x] トーンと文字数を指定する
- [x] 3パターンから選んで人が最終調整
5分でDM返信が作れるようになりました。 夜中に30分悩む日々は終わりです。
🗺️ 次のStepへ
🎯 次の記事(Step 5)では、「写真を見せてAIにキャプションを書いてもらう」方法を解説します。
ただし写真の扱いには、Step 4と同じくらい重要な法務ルールがあります。
特に、お客さまの顔が映った写真をAIに見せる時の約束ごと。ここを守れば安全に使えます。
👉 Step 5:写真を見せてAIに"キャプション"を書いてもらおう
🗺️ レベルマップ
レベル1:はじめの一歩 ✨ クリア
├─ ✅ Step 1:AIに投稿文を書いてもらう
├─ ✅ Step 2:ハッシュタグをAIに提案してもらう
└─ ✅ Step 3:1週間分の投稿ネタを一括生成
レベル2:AIに任せる範囲を広げる
├─ ✅ Step 4:DM返信をAIに下書き ← 今ここ
├─ ⬜ Step 5:写真からキャプションを作成
└─ ⬜ Step 6:SNS用画像をAIで作る
レベル3:AIが毎日の相棒になる
❓ よくある質問
Q. クレーム対応をAIに任せるのは大丈夫ですか?
「言い回しの参考」としてのみ使ってください。内容の判断は必ず人が行います。法的に問題になる表現がないか、最低15分置いてから再読するのがおすすめ。
Q. AIの学習から自分の入力を外す設定はありますか?
あります。ChatGPTの場合、設定(Settings)→ Data Controls → Chat history & training を OFF にすると、入力内容が学習に使われなくなります(履歴も残りません)。
※ただし過去分は遡って消えない場合あり。最初からOFFにしておくのが安全。
Q. 有料版なら個人情報を入れていい?
有料版でも入れない運用をおすすめします。法律は「AIサービス会社が学習に使うかどうか」ではなく「あなたが個人情報を第三者に提供したかどうか」で判断されます。
Q. チームでお店を運営している場合は?
スタッフ全員に「個人情報をAIに入れないルール」を共有してください。口頭ではなく、紙に書いて休憩室に貼るレベルの徹底を推奨。
このシリーズを書いている人: ai株式会社 編集部
更新日: 2026年4月17日

